英語を「正しく理解し、正確に表現する」ことを何より大切だと考えております。 英文を分析するための英文法力、さらに発信のための英文の蓄積が重要です。このため、文法、発音、音読、暗誦に力を入れた指導を実践しています。
メインメニュー
2012-06-03 の記事

大山倍達の遺言

物事を作り上げていくのは、並大抵のことではありません。
まして、それが人間の組織であり、世界的なレベルで存在しているものだとすれば。

極真会館という空手の大組織があります。
従来の「危険だから相手には本当に当てない空手」とは違って、実際に当てる「フルコンタクト」という形で一世を風靡した組織です。

「巨人の星」や「あしたのジョー」で知られる梶原一騎さんが原作を担当した「空手バカ一代」の主役が、この大山氏です。

大山氏が亡くなって20年近くがたちました。
武道に関心のある方なら、現在、この極真会館がどのようになっているのか、ご存じだと思います。

もちろん、わたしは空手を自分でするわけでもないし、実際に極真会の人を知っているわけでもありません。

ただ、大山氏や、極真会の関連の書物を何冊か手に取ったことがあるにすぎません。

そのなかでも小島一志氏、塚本佳子氏共著の「大山倍達正伝」はドキュメントとして、質、量ともに読みごたえのあるものでした。
「正伝」が、極真会館の、いわば表の顔の実態を描き出して、それまでだれも書くことのなかった大山氏の姿をわたしたちの前に見せてくれたとすれば、今回の「遺言」はそれ以後、極真会がどのように分裂して行ったかを克明につづった記録といってよいでしょう。

もちろん、それぞれの人物が、実際に何を考えて、どのように構想したのかは、すべて闇の中の話で、わたしたちが読むことのできる話は、あくまで執筆者のおふたりの見聞きし、解釈されたことにつきます。

それでも、全日本、全世界というスケールの大会を開催して、いわば格闘技世界一という看板をもっていた大組織が、ここまで無残に分離してしまうことは本当に残念です。

「大山倍達の遺言」小島一志、塚本佳子著 新潮社 はこちら

田口執筆「英検タイムズ」はこちら

Posted at 2012年06月03日 19時15分28秒  /  コメント( 0 )

児玉清さん

児玉清さんの遺稿集、「すべては今日から」を読みました。

早いもので、児玉さんが亡くなられて1年がたってしまいました。
ごく最近まで、TVなどでよくお見かけしていた気がするのですが、もうそんなにたってしまったのか、という気持ちになります。

児玉清さんが、わたしにとって、印象的な俳優になったのは、2008年に放送された「鹿男あをによし」がきっかけでした。

いつも、上品で、善人役を演じてきた児玉さんが、実は・・というのはかなりびっくりしました。

でも、それよりもDVDボックスを購入したときに、特典映像のインタビューで、もともと万城目さんの「鴨川ホルモー」以来、作品に注目していたこと、「鹿男」では、出演を打診されて、即答で承諾したこと、でもそのあと、小治田教頭という役が、リチャード・ギアからとった、リチャードというあだ名をもったキャラクターであるため、少し不安(?)になったこと、など、情報というか、深いお話がいっぱいで、とても楽しかったからです。

今回の遺稿集では、原稿用紙にして数枚のエッセイを集めているのですが、読んでいて、とても励まされるものがいくつもありました。

特に、大学の卒業式に、お母様が亡くなられて、それまで予定していた大学院への進学ができなくなったこと。
そして、いくつか企業にあたってみても、すでに時遅し、で、いくところがなかったこと(「鹿男」で玉木宏さんの演じる小川先生に一脈つうじるような・・)。
ある人が児玉さんの書類を送って応募していた映画会社のニューフェースの面接の、笑えるエピソードなど、知らなかった情報も多く、とても楽しい読書時間でしたし、またおおいに励まされるお話もたくさんありました。

「もっと小説を読んでください。未来を築くために――」という、児玉さんの言葉は、まさに今の日本人へのメッセージだと思います。

児玉清さん、極上の本をありがとう!

Posted at 2012年06月03日 08時41分56秒  /  コメント( 0 )