英語を「正しく理解し、正確に表現する」ことを何より大切だと考えております。 英文を分析するための英文法力、さらに発信のための英文の蓄積が重要です。このため、文法、発音、音読、暗誦に力を入れた指導を実践しています。
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2012-09 の記事

舟を編む

三浦しをんさんの小説です。

国語辞典を編纂する出版社のスタッフの物語です。

物事を作り上げていくということは、とてもエキサイティングな体験だと思います。
ここでは、言葉に対するこだわり(良い意味での「こだわり」というのは正用法ではないようですが)をもった「まじめ君」が、周りの人たちも変化させつつ、自分の夢でもある辞書づくりにまい進していくお話なんです。

『舟』というのは、言葉の海にでていくはかないこころみをさすようです。

三浦さんのおはなしづくりはとても巧みで、淡々と語られていく中で、それぞれの登場人物は生き生きと描かれていきます。

まじめ君の先輩社員で、全く逆といってもよい西岡のキャラクターは素敵です。
はじめ、どんなものにも打ち込めない西岡。
でも、すこしずつ、まじめ君の影響を受けて、変化していきます。
ところが、そうしたある日、まさかの転勤。

そのあと、西岡は、物語に登場することはほとんどないのですが、実は、最後に、またいい現れ方をします。

そうした一人一人の登場人物に向けられた作者の愛情も心地よいのがこの作品です。

手に取って、その日のうちに読み終えてしまい、しかもそのシーンがあちらこちらに思い出される、なつかしい本になりました。

Posted at 2012年09月25日 09時52分53秒  /  コメント( 0 )

松本亨先生の英作文クラス

その昔、高校生時代に上京して、松本亨先生の授業を受けたことがあります。

当時、渋谷に松本高等英語専門学校があり、サマー・セミナーに参加しました。
受験生用のセミナーで、週に2時間、先生の授業が受けられました。

先生の授業は、一人一人の生徒に、前に出て英作文を書かせて、それを添削する、というものでした。
これは「英作全集」や、「英語で考えるために」でも触れられていることですが、先生は、この方法がもっとも効果的だと考えていらっしゃいました。

ただ、先生の出題される英作文は、パターンを使った英作文に慣れている高校生には、ハードルの高いものでした。
したがって、参加している高校生(私のいたときにはひとクラス50名くらい)でも予習を全部してきている人たちはあまりいないようでした。
わたしも他の高校生同様、わからないことだらけでしたが、どうしても先生に自分の作文を指導してほしかったので、ある方策を使いました。

後ろの問題から予習したのです。

例えば1番から20番まで問題があるとすると、普通の人は1番から取り組むのですが、わたしは20番から取り組みました。

わたしの読みは当たって、松本先生が指名していくと、15番くらいから手が上がらなくなり、終わりにはわたし一人しか手をあげない状況が起こりました。
18番、19番と先生はやむなくわたしを指名しましたが、
「他にやってきているひとはいないかな」とおっしゃってみえました。
思いきって、「答えを二つ書いてもいいですか」と伺うと、許可が出たので、前の晩に思いついたものをもう一つ書いて、添削していただきました。

この状況が、励みになって、英作文がすっかり好きになっていきました。

田口執筆の「英検タイムズ」はこちら!

Posted at 2012年09月23日 22時27分05秒  /  コメント( 0 )

自分の解釈が正しいか...

英字新聞など教材にするときに、よくありますね。

実際に、ある長文がどういう文構造になっているのかわからない場合です。

基本的には、思いつくすべての文法項目をリストアップして、明らかに違うものから消去する方法を取っています。

たとえば、die young とかgo public といった表現は文法的に何に当たるのか。

die やgoは動詞です。
そしてyoung とpublicはいずれも形容詞ですね。
この二つの形容詞は、動詞を修飾していると言えるのか。

形容詞には二つの使い方があります。
叙述用法と修飾です。
英文の中で、SVCやSVOCのCに当たる部分が叙述用法です。
She is beautiful. や I found the bottle empty.のbeautiful やemptyですね。

名詞の修飾はおなじみ、a pretty dogのprettyです。名詞の前に来ます。

形容詞の使い方が二つしかないのだとすると、冒頭の問題は叙述用法ということになります。

つまり、主格補語。

SVCのS=Cという構造になる場合のCとしての形容詞の使い方と同じ、ということです。

そこで、実際にいくつかの文法書を調べてみると、確かにそうした記述がありました。

こういったところから、英語の勉強が進んでいくのかもしれません。

英検タイムズはこちら!

Posted at 2012年09月12日 09時38分40秒  /  コメント( 0 )

理想の授業

以前、高校教師をしていた時代に、どちらかというと一部の予備校講師のような考え方をしていた時期があります。
つまり、授業とは、一種のエンターティンメントである。
内容を理解させると同時に、楽しませる授業づくりが大切なのではないか、と。

最近、高校で教える仕事で、実際に教壇に立つにあたり、勉強を教えるということはどういうことかを改めて考えることになりました。

以前、ある方のブログで、伊藤和夫さんや、中原道喜さんの授業について読みました。

おふたりとも、著書をたくさんお持ちの、経験豊かな英語教育者です。
その頭のよさは、実際、著書に目を通すとひしひしと伝わってくる方たちです。

わたしがこうした先生方の授業に及ぶべくもないのですが、こうしたにじみ出る迫力のある授業ができたら良いのに、と考えるようになりました。

いわゆる「おもしろい授業」ではなく、「有意義な授業」を目指すべきだと考えるようになりました。

エブリで教える場合には、多くのレッスンで、ある程度レベルの高い教材を使うことになります。
英検1級や、時事問題を扱った資料では、英文読解の講義だけではなく、物事の背景知識をある程度踏まえて授業する必要があるのです。

高校で教える場合には、こうした知識よりも、やはり英文に関する研究が中心におかれることになります。

そうしたことから、訳読を中心に進めながら、難訳部分の文法解説や、表現の説明といった作業がウェイトを置かれる形で実践する方法を使っています。

果たしてこれがどこまで有効なのか。聞き手たる高校生諸君の関心度にもよる部分は大きいのですが・・・?

Posted at 2012年09月10日 09時59分20秒  /  コメント( 0 )

Drought Is Withering ...

最新号のTIMEの記事からです。

この記事によると、現在、アメリカ中西部では大変な干ばつに苦しんでいるそうです。…but what has happened to the American Midwest this summer has been practically biblical.
このbiblical という言葉は、もちろんBibleからきた言葉で、「聖書の、聖書から出た」という意味ですが、あわせて「途方もない、並はずれた(=very great, on a large scale)」という意味も持っています。

現在、農家も、穀物会社も必死になって、対処の方法を考えています。…Farmers and crop companies are struggling to figure out ways to cope with severe drought.
でももちろん、わたしたち人類にとって、天候を調整することは、その技術の及ぶところではありません。..Changing the weather is still beyond us.

そこで、現在の農業ビジネスが考えているのが、新しいタイプの遺伝子組み換え穀物ということになるらしいのです。
効率よく、限られた水を利用することができ、過酷な乾燥した環境でも育っていくことのできる植物。

ただ、強力な農業ビジネスが開発した、水を少量した使わなくても成長する新しいSuperseedsは、同時に、農家の命運も左右する諸刃の剣でもあります。

つまり、GM(Genetically modified) crops(=遺伝子組み換え穀物)は再生能力、次の世代を作っていく能力を持たないため、農家は、毎年、この種を購入し続けなくてはなりません。
一旦、GMCに手を染めれば、これからずっとその企業の傘下に入ることを意味するわけです。

もちろん、この干ばつを乗り切って、生き延びることは大切です。
この厳しい選択にアメリカ農業は直面することになるのです。

そんなことも暗示させる記事でした。

Posted at 2012年09月09日 23時47分50秒  /  コメント( 0 )

もらい泣き

冲方丁(うぶかた・とう)さんの新作です。

連作するコラムで「怒り」か「泣き」をテーマに書きたい、という企画自体、非常にユニークなのですが、一つ一つのお話が、わずか数ページの中に、ギュッとエッセンスが詰め込まれている感じです。
これは冲方さんがいろんな方に聞いて回ったお話を、アレンジされたものですから、全部が完全な実話というわけではないのですが・・。

たとえば、こんな話があります。

念願の子供が視力薄弱だったそうです。

手術すれば治るかもしれないけれど、生まれたばかりの子供に、そんなことをしてくれる医者はいるのか。
新しく起業したばかりの父親は、毎日、仕事で疲れて帰ってきては、母親とこの話に明け暮れて、疲れるばかり。

「父親としてはもっと強くなって、自分の子供なんだから、どんな状況でも強く愛してやろう、と思うんだけど、がっくりしちゃうの」

しかも男の子なのに、とがっていたり、硬いオモチャが買えないので、どうしてもぬいぐるみばかりになってしまう。

夫婦そろってぽっきりと折れそうな気持を抱えて寝てしまう日々。

そんなある日、目覚めてみると、自分たちの周りにぬいぐるみがずらりと並んでいた。

3歳になるこの息子が、疲れ果てた父親を励まそうとしたに違いない。
夫婦はそう信じた。

「思ったよ。この子は光を奪われたんじゃない。この子の中に光があるんだ、と」

この事件から、彼の人生はがらりと変わる。
子供の目は治療でよくなり、仕事も順調に回りだす。

非常に良い話の集まった、心に残るお勧めの本です。

冲方丁「もらい泣き」集英社

Posted at 2012年09月08日 09時22分04秒  /  コメント( 0 )

訳すことの意義

松本亨先生は、「英語は訳さなくてもわかる」とおっしゃられて、英語は英語で理解して、自分の記憶にある英語表現を使って、自分の言いたいことを表すという主張をされていました。

わたしは、「訳読」という方法は、ある程度の人数の学力レベルの違った集団を相手に、英語を教えるにはかなり有効なものだと考えています。

わたし自身、できるだけ英語で理解するように努めているつもりですが、他の人に英語の内容を伝えるのであれば、訳してみる、あるいは日本語で説明する方法をとります。

基本的には、英文和訳というのは長年培われただけあって、非常に発達した方法です。

特に、すばらしいのは、ある程度レベルの高い英文にチャレンジする場合に、基本的な英語文法の知識があれば、理解を進めることが可能である点です。

たとえば、ダイレクト・メソッド(トータル・イマージョン・システム)であるレベルの英語を教えるとしましょう。

この英語のレベルが、学習者にぴったり合っている、ないしは、少し上であるなら、対応は可能でしょう。
しかも、こまかな点まで確認して進んでいくためには、教室に入る生徒数も、せいぜい、1人から数人までで、十数人あるいは何十人、という量であれば、対応はほとんど無理になってしまいます。

そういう意味で、教室などで、英語を教える場合には、訳読法を利用することが多くあります。

英語に関してのいわば神話である、「英文法はいらない」とか「訳読は諸悪の根源」などといった考え方には、大きな誤解があると思います。

Posted at 2012年09月07日 10時20分12秒  /  コメント( 0 )

新・英作文ノート

英作文の参考書や問題集は、基本的にはパターンが決まっていて、冒頭に暗誦用の例文が出て、そのあとそれを応用した形での作文を書く、という形のものが多くみられます。

日栄社の「新・英作文ノート」(宇佐美修・編著)はこのパターンとは違い、類似表現をたくさん思い出してから、英作文を書いていくという方法を使っています。

日栄社の教材は、興味深いものが多いのですが、これもそうしたもののひとつであるといってよいでしょう。

すくなくとも、あまり英作文が得意でない人にとって、こまかな練習を積み重ねていくうえで、大いに参考になると思います。

同時に、一通り、英語の勉強をやり終えた、という感じを持っている方にとっても、ちょっとした表現を確認したり、あてはまる前置詞をチェックしたりするのにはふさわしい問題がたくさん載っています。

価格的にも手に入れやすいので、そのまま記入して答えを確認するにももってこいの教材です。

日栄社「新・英作文ノート」(宇佐美修・編著)381円+税

Posted at 2012年09月04日 10時22分46秒  /  コメント( 0 )

暗誦の意義

暗誦を勧めていると、尋ねられる代表的な質問が、
「でも、相手が同じ表現で返してくる可能性は薄いじゃないですか」

確かにその通り。

いくら会話を覚えても、テキストに載っている会話があいさつのような、決まり文句のやり取り以外で繰り返される可能性はほとんどありません。

この間も、「相手がお休みしている、という状況の会話を覚えて電話したら、その人が出てしまいました」って、それはそうでしょう。

だからといって、会話を覚えるのが無意味、ということは決してありません。

一番大切なことは、いちいち意味を考えなくても、音を聞いただけで内容が取れる文が増えること。

英語を話していて、一番大変なのは、相手の発言の意味を理解してから、それに対応するメッセージを考え、文法的に正しい文を組み立てなくてはならないこと。

でも、たくさん英語のストックがあれば、理解も速いし、反応もいちいち英語から日本語、日本語から英語の転換をくりかえさなくても対応できます。

実は、このために英語の勉強をしているのですね。

反応を訳すプロセスをなくして簡略化する。

これができると、訳をする場合にも英文丸ごとで対応でき、内容の全体像をつかむことができます。

これにより、文中にわからない単語や表現があっても、流れをつかんで意味をとるという作業が容易にできるようになるのです。

Posted at 2012年09月03日 00時28分51秒  /  コメント( 0 )