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波乱の本買取

先月の中旬、不動産管理会社より電話。
「○○市の古本屋が閉店するんですけど、本の買取できますか?」
○○市は隣県の地方都市です。
確か○○市には古書組合員さんは居ない筈なので、チョット安心。
「はい、本の内容にもよりますが、買取できますよ」
ということで、高速道路を使って2時間半、片道180Kmの古本屋さんへ行ってきました。

私が勝手に小さな古書店とイメージしていたのですが、想像と違って中規模の新古書店でした。


店主に挨拶をして店内を見て回りましたが、8割強がコミック本でした。
店主に話を聞くと、最低でも5万冊以上はあるそうです。
そして、月内には本だけではなく、棚や売台など什器類全てを片付けて欲しい、予算は無いけど。
ん、予算が無い?!。
これは相当キビシイ条件です。
とりあえず返答を保留して帰社し、月末までのスケジュールを確認すると、行けるとしても4日ほどです。
どうしようかと迷いましたが、迷ったら実行するのが私の主義。
翌日、店主へ電話して引き受ける旨を伝えました。

さてさて、引き受けたはいいが、どういう段取りで行こう?
色んな方へ相談した結果、当店で買取可能な本は持ち帰り、残りはブッ●オフに持ち込むことにしました。
そして、近隣のブッ●オフへ問い合わせしたところ
「お宅の店舗ではコミック本、最高何冊買取できます?」
「はい、何冊でも大丈夫ですよ」
「何冊と言っても、具体的に何冊くらい大丈夫ですか?」
「店頭に持ち込んで頂ければ上限はありません」
「じゃ、数万冊でも?」
「はい!」
「ところで、本の状態にも依るでしょうが、買取ができる本は最低いくらで買ってくれます?」
「最低価格は10円です」
10円?!、ということは4万冊売れれば、よんじゅうーまん???
他の店舗に問合わせても、だいたい同じような回答でした。
これで方針が決定です。
コミックの全巻セットや文庫・単行本は持ち帰り、バラのコミックは近隣のブッ●オフ数店へ持ち込もう。

そしてスケジュールを調整して、片道3時間かけて、24日にスタッフと3人、トラック2台で出発しました。
現地へ到着して、早速コミックをトラックへ積み込みです。

6時間ほどで、トラックの積載量上限ほど、冊数にして1万冊ほどになりましたので、夕方から隣市のブッ●オフへスタッフが持って出ました。
残った私とスタッフは翌日持って帰る本の選定です。


時計を見ると7時過ぎ。
そろそろ隣市のホテルへ帰ろうと思い、帰る準備をしていると、先発したスタッフより電話。
「今、ブッ●オフで降ろしているのですが、2,000冊ほどしか降ろせないそうです」
「はっ?、話が違うじゃん。わかった、じゃ、残りは次のブッ●オフへ持って行って」
と指示をし、私たちも次のブッ●オフへ向かいました。

向かっている途中、またスタッフから電話。
「次のブッ●オフへ向かう途中に、マン●倉庫があったので寄ってみたら全部引取り可能だそうです。その上、状態が悪い本でも、まとめて買うそうですが、どうしますか?」
「全部降ろしていいよ、オレたちもそっちに向かうから」
そして私達が着いた時には、丁度降ろし終わった後でした。
マン●倉庫のスタッフと話をすると、
「車で30分ほどの所に、もう1軒店舗がありますので、そちらと合わせれば、5万冊でも大丈夫ですよ」
と、頼もしい回答をもらい、宿泊予定のホテルへ向かいました。
ホテルに着くとスグに近くの居酒屋で夕食兼飲み会です。

翌日は朝から、空になった本棚を近くの焼却場へ持って行ったり、持って帰る本やマン●倉庫へ持って行く本の積み込みです。




8時近くになって積み込み完了。
マン●倉庫へ向かいました。
2軒目のマン●倉庫は1軒目の倍近くの広さでストックヤードも別棟でありました。
私達が着くと、スタッフ8名ほどで降ろしてくれました。
それでも終わったのは10時30分。
マン●倉庫の責任者と打ち合わせをし、次の残り全部を2軒に分けて降ろすようにしました。
それから遅い夕食をして、帰路につきました。
当然、帰宅したのは3時前、翌日は通常業務です。
私は、なんとか遅刻せずに出勤しましたが、スタッフは遅刻。
咎めることは、、、もちろん言いませんでした(エライッ)

しかし、よくよく考えたらまだ、1/3ほどしか片付いていません。


どう考えても、2日〜3日で終わる量ではありません。
そこで、管理会社へ日延べの相談をすると
「来月からの入居者が決まっているので、なんとか今月中に片付けてもらえないですか、なんなら私もトラックのレンタカーを借りて手伝いますので」
「わかりました。私も受けた以上、何とかしましょう。手伝いも必要ありません」
と、言ったはいいが、つくづく反省。

そして悪い時には悪い知らせが届くものです。
スタッフから
「今、マン●倉庫から電話があったのですが、本部から受け入れを中止するよう言われたそうです」
あ〜どうしよう。
残り4日、しかしスケジュールを調整しても27日と28日はどうすることもできず、残るは29日と30日のみ。
他にまとめて買い取る所もないし、各地のブッ●オフに分散して持って行くしかないのかな。
それでも、積み込む時間を計算したら、無理な気がするし。
さぁ〜困った。

そして翌27日、またまたスタッフから
「先日持って行ったブッ●オフとマン●倉庫から査定金額の電話がありました。
ブッ●オフは全部で3千数百円、マン●倉庫は3万2千数百円だそうです」
数百円はあまりのショックで聞き逃しました。
「なんで!、あれだけ持って行って3万5千円ほど?。1冊2円にも満たないやん!」
時間と労力、経費を計算すると大赤字です。
「そんなに安いんだったら、古紙業者に売ったが良かったやん」
ん???、古紙業者?
ネットで調べてみると現場の隣市に数軒ほどありました。
それに、その内の1軒は当店と取引がある支店でした。
早速電話してみると
「福岡でお世話になっているようですので、こちらでも高く買わせていただきますよ」
と、うれしいお言葉。
その上、パッカー車での引き取りお願いするも快諾いただきました。
これで見通しが立ちました。

29日は前回同様、スタッフ2名と共に現場へ向かいました。
先ずは、持って帰る本の箱詰めや単行本の選定をしながらトラックへの積み込みをして、前回泊まったホテルで宿泊。

翌最終日の30日は、処分する本を1冊でも減らそうと最終チェック。
昼前にはパッカー車が着きましたので、棚に残っている本をパッカー車へ廃棄です。
後でわかりましたが、廃棄本の総重量は10トンを超えていました。


それにしても、古本屋が本を捨てるのは、大変忍びがたいものです。
買取に行く先でも、お客様からよく
「買取ができない本も持って帰ってくれませんか、捨てるのに気が重いので」
と言われますが、そのお言葉がしみじみ感じました。


そして何とか約束通り、片付けまで完了しました。


最後の2日間は、店主が所用で立ち会われなかったのですが、もし立ち合われていたら相当心が痛んだことでしょう。
もしかして、それを見越して立ち会われなかったのかもしれませんが。


それにして今回の買取、延べ4日間は長い々々4日間でした。
それに、充実感もない仕事でした。
古本屋が、古本屋さんの閉店に伴う整理するほど、嫌な仕事はありません。
最初の2日間の作業中は、営業中ということもあり、時々常連のお客様が来店されるのですが、そのお客様方々が
「あら?、閉店するの?。寂しいねー」
と言いながら、私達を閉店に追い込んだ元凶みたいに眼で睨みつけられました。
それも1人や2人ではありません。
そして、一番寂しいことは、この数万人の地方都市から最後の古本屋さんが無くなったことでした。

Posted at 2014年07月10日 02時55分33秒

 
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