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被災地は今(1) ゆゆしい問題 【粥菜坊パパのフロク - ブログ編】

2012年11月26日(月) 

福興市で出店した日の翌日は少し観光をしてみることにしました。今まで何度も南三陸町を訪れているものの、やることがあって来ているので観光らしいことをしたことがありません。そこで、地元歌津の千葉さんにご案内頂くことになりました。でも、その前にその千葉さんご一家が直面している問題についてお話したいと思います。

千葉さんご一家は、歌津の中心、伊里前でカキ養殖を営んでおりました。私の手元にある本の表紙になるほど被災地の写真として代表的な歌津大橋、そのすぐ近くに家があり、津波で自宅はもちろん、カキ養殖の道具も何もかもほとんど流されてしまいます。現在も歌津大橋は破壊されたままだし、津波の力の凄さを見せつけられるほど鉄梯子もぐにゃぐにゃのままです。


写真:(左から)被災直後の歌津大橋。現在の歌津大橋。すごい熱が加わって曲がったと思われる鉄梯子。

多くの漁師さんたちは、この震災で廃業に追いやられました。漁業を再開するための漁船や筏、養殖施設や漁具、処理場の建設などなど、費用は何千万円あっても足りないほど莫大。行政からの支援はあるにはあっても、そうはあてにならないようで、協業しているグループでないと受けられないとかの制約も多いみたいなのです。地盤沈下した漁港の工事も一向に進まないため、処理場、作業場の整備も進みません。年齢や後継ぎを考えて、苦渋の決断で幕を引くんだと思います。

そんな中、千葉さんご一家は、復興に向け基金を募るホームページを立ち上げ、未来へ一歩踏み出しました。カキ養殖の再開へ向け歩み始めたのです。既に伊里前川近くの自宅跡地には大きなテントが張られ作業場にしていました。限られた牡蠣筏や漁具を駆使して、牡蠣をまた育て始め、成長を見守っています。その近くには、昨年末にオープンした伊里前商店街がありました。少し高台には、線路を破壊されたままの気仙沼線の歌津駅があります。


写真:千葉さんの作業場。伊里前福幸商店街。ひっそりとしたJR歌津駅。

千葉さんご一家は、もちろん今でも多くの人に支援を呼び掛けています。ちょっとやそっとの金額ではとても足りないのです。是非、一度結っこ基金のHP3代目千葉拓さんという青年のブログを見てみて下さい。是非、応援をお願い致します。


そんな奮闘している千葉さん一家に、心配な問題が持ち上がっています。伊里前川に防潮堤を建設する計画が住民の知らないところで進められていました。1kmにわたって高さ7〜8mのコンクリートが伊里前川を埋めてしまうのです。それが、中央防災会議の提言に基づき、一部の人だけで話合いが進み、県が事業を進め、町が事業計画を作成し、土木事務所が図面を起こして、ようやく住民に説明されたというから驚きです。そこに、その工事による環境への影響は全く議論されていないそうです。3〜4年の工事の間に、伊里前川は工事で濁り、その水は伊里前湾へ流れ出します。そこに育つ海洋生物はどうなってしまうのか、その議論では何も考えられていないそうなのです。

住民は高台移転が決まっており、これからそこに住む人はいません。いくら高くて頑丈な防潮堤を作っても、自然の力には無力であることもわかりました。なのに、環境破壊を起こしてまで何故そうしたハードな部分にこだわるのか、私にもわかりません。怒りさえこみあげて来ます。もっと高台避難意識の徹底や避難経路の確保といったソフト部分に力を入れることの方がずっと大切に思います。千葉さんのような漁民にとっては死活問題です。きっと、同様な問題が被災地の沿岸部分のあっちこっちで起きているような気がしてなりません。

田束山から良質な水が流れ出し、伊里前湾に注ぎ込む伊里前川。今、そこに計画されている防潮堤建設を阻止しようと千葉さんご一家の第3代漁師、千葉拓さんは戦っています。自然を死守しようと戦っています。自分は見守ることしかできないのが残念でなりません。


写真:うたちゃん橋がかかる伊里前川、防潮堤の建設より自然保護を優先させるべきと思います。

Posted at 2012年12月11日 09時45分20秒

 
この記事へのコメント



未タイトル

お疲れ様でした!千葉さんは、この防潮堤について本当に戦っている真っ最中のようです。毎月自民党の若手が、被災地を回っていますが、ついこの前はこちらの歌津に来ていて、拓君が防潮堤反対を訴えていましたね。復興というならば、なぜ、そこで暮らす人達の意見を取り入れないのか、ただ何か作ればいいとでも思っているのか、行政の復興計画はちょっと片手落ちの部分があるように思えます。歌津だけではないのでしょうね・・・こういう問題。
Posted by 庭野 at 2012/12/17 09:16:59



庭野様へ

川沿岸の何十人の地権者の中で一人でも防潮堤賛成の人がいると、たとえその他の何十人が反対でも、建設をせざるえないと県は言っているそうです。国の中央防災会議の決定に従っての事らしいけれど、もっと地域地域で柔軟な対応をするべきです。利権がからんだ、民意を無視した力が働いているのでしょうか?
Posted by 粥菜坊パパ at 2012/12/18 08:28:33

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