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ちょっといい話 『震災が気づかせてくれたもの 機

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 今、震災から一年・・・。
様々な形で、世の中が真の日本の姿によみがえりつつあることを感じています。

被災地では、現代の私たちが忘れかけていた、
日本人の心日本人の誇りの数々が再生しています。

そしてそれが、少しづつ全国に広まりつつあります。

そのいくつかをご紹介しながら、
今後の日本の進むべき道を模索していきたいと思います。


 以前にも書かせて頂きましたように、
稲作文化が培ってきた、結束力、秩序、感謝、
これらは本来の日本人が持ち合わせていた誇り得るべき『和』に象徴され、
世界から称賛を受けることとなった、震災直後の日本人の行動として顕在化しました。

また、多くの方が被災地に「元気と勇気」を届けに行かれましたが、
「逆に元気や勇気を頂いて帰ってくる」という声が多く聞かれます。

これは一体どういう現象なのでしょうか。

その辺りを検証しつつ解説していきたいと思います。


 一言で言うと、これらはすべて『和』の力の復活と捉えることができます。

ともすると、経済至上主義や物質文明が「幸福」を生み出すという価値観が、
日本本来の『和』の力を弱まらせようとしていた現代でありましたが、

この国難を機に意識が変わったのです。

つまり、『和』の力、『和』の文化がいかに「人を救い」、
どれほど「幸福を導くことができるか」、
また、『和』の文化こそ『世界に誇れる精神文化』であるという
本来の価値観がよみがえったのです。

被災地を訪れた人たちが逆に「元気・勇気」を頂くのは
この『和』の力の再生によるものなのです。


 さて、今回は『和』の文化の中で生まれ、
「感謝の念」を背景に持つもったいないという言葉に
焦点を合わせることにしたいと思います。

もったいない

この言葉は、少し前のアフリカ人の方に歌にまでして頂いたほどです。

スワヒリ語や英語でもなく日本語のままでもったいないと歌われたもので、
今や世界の共通語にまでなっている日本人特有の言語なのです。


 日本において、戦後、経済中心や物質文化が主流になり
「使い捨て・無駄遣い」が経済発展につながるという考え方が蔓延したため、
もったいないという観念が失われつつあったのです。

その点、戦時中・戦後を生き抜いてきた人は、
食べ物がない、物が無い、すべてが無いという生活を経験しているので、
「物の有り難さ」を知っています。

お陰で、もったいないというのは毎日の生活そのものでした。

被災地はまさしくその状況に近いのです。

こんなことを言うと誤解されるかもしれませんが、
実際、何も無くなってしまった時に初めてこの「節約」の代名詞である
もったいないが復活したのだと言っても過言ではないと思うのです。


 もったいないを履き違えると、「けち」と勘違いしてしまいがちですが、
「節約」と「けち」は大きく異なります。

「節約」とは、自分の無駄を省き、
あまったものを世のため人のために使うということです。

「けち」は自分のためだけに用いて、そこで止まってしまうことなのです。

つまり、「節約」は世の中の物が「循環」するということで、
「けち」は「循環」しないという大きな違いがあるのです。

『節約=もったいないは「リサイクル」につながるのです。

「リサイクル」という言葉には再利用という意味のほか、
「循環」するという意味があるのです。


 たとえば、「水」の「循環」を考えてみると・・。

水は、雲→雨→川・大地→海→大気→雲となります。

このバランスのどれかひとつに歪(ひず)みがくると、
生きていくのが困難になるのと同時に、
地球の存亡にかかわる大変大きな問題を引き起こすことになります。

この大自然の「循環」を損なう事なく、
共存共生しようとしてきたのが日本の宗教である『神道』の考え方です。

言い変えれば、今の自然破壊や環境汚染をくい止め、地球を再生させる鍵は、
日本人のもったいないという考え方にあるのではないでしょうか!


 「リサイクル」の原点はもったいないという考え方にあります。

これこそ自然循環の原理に適っているのです。

どうぞ、皆様もこれからの日本の進むべき道の「みちしるべ」のひとつとして
『もったいない』を喚起していこうではありませんか。
                          

鎮守氷川神社 第三十六世宮司 鈴木邦房



Posted at 2012年08月01日 14時56分28秒