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宮司の ちょっといい話 【今・ここ・自分】

今・ここ・自分


 『今・ここ・自分』・・・
この言葉は私が、第一冊目の「ちょっといいはなし」を
出版するきっかけのひとつになったものです。


 今から三年ほど前くらいのことと記憶しますが、ある新聞のコラムに、

―『今の日本人を象徴する表現に、「今・ここ・自分」というものがある。
  つまり、「今が幸せならば良い・ここ(家・部屋)が幸せならばよい・
  自分が幸せならばよい」という考え方、
  これが、今の日本人の心を如実に表している。』―


この記事を目の当たりにして愕然としたのを忘れません。

これでは日本人が日本人でなくなってしまう。
本来の日本人のこころをよみがえらせなくては!と痛感したのです。

もちろん、今、ここで自分が幸福せである必要があり、そうでなくてはなりません。

一方、「今・ここ・自分」を本来の意味で深く認識することなく、
字面(じづら)だけで理解しようとすればそれは「不本意」と言わざるをえません。

それでは、この言葉のどこに本来の日本人の心が内在しているのでしょう。

それを解説していきたいと思います。


○『
→2012年という西暦の数え方が今の世界を動かしているので、
 それを否定するものではありませんが、
 日本は神武天皇建国以来この年、平成24年で2672年!
 これが日本の歴史なのです。
 日本人ならばこの長い歴史に、自覚と誇りを持つことで、
 初めて『今』を感じることができるのです。
 日本の先人たちが、「大きな和」の国造りのために紆余曲折を繰り返し、
 汗と涙と犠牲により建国、発展を成し、私たちのがあるのです。


○『ここ
→ふるさと、郷里、村、こんな言葉から連想される日本の共同体は・・・
 助け合い・支えあい・励まし合いの精神により支えられてきました。
 日本人のこの精神こそがここを創ってきたのです。


○『自分→日本人の精神性を言葉にするならば・・・敬神崇祖です。
 つまり、自分の親、そのまた親、遠い祖先がいて、見守ってくださる。
 先祖があって、神様がいて、自分が「生かされている」と考えてきたのが
 日本人なのです。



 以上申し上げましたように、
私たち日本人は長い歴史を持ち・助け合いの郷土に支えられ・
先祖があって、神様がいて、自分がいるという、
謙虚な気持ちを持つことが必要であるということです。

これが日本人なのです。真の日本、誇り

ある日本の再生をそろそろ本気で考える必要があるのではないでしょうか。


 しかし、それが、思わぬところから再生し始めているのです。
3・11の震災後、まさに窮地に立たされた被災地から、
この「日本人のこころ」が復活してきていると感じます。

東日本では、歴史を再認識しようという動きが出てきました。

過去の震災を紐解き、これからの災害に備えようとしたり、
また、地域のありかたや生活を歴史から学ぼうとしているのです。

そして、一日も早く復興・復旧を済ませ、郷里に帰り、
「生かされている」ことに深く感謝をしようとする思いにもなっています。

日本人本来の今・ここ・自分を取り戻しているのが、
なんと、悲しみから立ち上がろうとしている被災地からなのです。

このことを今、多くの人達に伝えなくてはならないのです。

日本人の本来の姿をよみがえらせるために。



『宮司の ちょっといい話』は・・・鎮守氷川神社

Posted at 2012年06月22日 12時12分57秒