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〜 年中行事 Α

「お盆に帰省した?」・・・

 これは、時候の挨拶のように交わされる言葉ではないでしょうか。
『お盆』の『帰省』、
やはり今年も高速道路の「大渋滞」がニュースで流れていましたね。
何の共通点もない二つの言葉が、
この時期になると対句のように聞かれるのは面白いことです。
しかし、これには深い意味があり、日本独特の習俗、習慣があったのです。


お盆

 「お盆」は、正式には「盂蘭盆(うらぼん)」といって仏教の言葉ですが、
「墓参り」「迎え火」「精霊流し」等々のお盆行事は、
元来すべて日本の神道行事の「先祖祭り」であることを
ご存じの方はあまりいらっしゃらないでしょう。


 古の日本では一年を二期に分け(年中行事セ仮函法
前期の始まりを「正月」として、
「歳神様(としがみさま)」を迎えます。
そして、後期の始まりを「七月」として、
お盆の行事が行われ「先祖」を迎えます。

「敬神崇祖」という日本人の心の原点は、
一年を前期と後期に分ける生活の営みの中に実践されてきたといえそうです。
その後期の皮切りに行われるのが「七夕(たなばた)」であります。
お気づきかもしれませんが、実は「七夕」は、
お盆行事の「先祖祭り」そのものだったのです。

「七」の「夕」と書いて、なぜ「たなばた」と読むのでしょうか。
これを説き明かすことによって面白いことが分かってきます。


 「七夕」というと、「牽牛(けんぎゅう)=彦星(ひこぼし)」と
「織女星(しょくじょせい)=織り姫」の伝説を思い浮かべます。
この話自体は、奈良時代に中国から伝わったもので、
これが、もともとあった日本習俗と習合しました。
それが、現在の「七夕」なのです。
それでは、もともとあった日本習俗とはどんなものだったのでしょうか。


 「正月」に『竹』を立てるように、「七夕」にも『竹』を立てます。
しかし、これは短冊を付けるためのものではなく、
「先祖」が降臨するための『竹』なのです。
その『竹』は水辺に立てられ、そこに小屋が作られました。
水辺で身を清めた娘が「先祖」に着てもらうための衣服を小屋の中で織ります。
織られた衣服を「竹」に掛け「先祖」を迎えるのです。

それが行われるのが「七月七日」で、
その娘を「棚織女(たなばたつめ)」と呼ぶのです。

「七夕」と書いて「たなばた」と読むのは、ここからきているのです。
「七夕」は「お盆」の始まりの行事であったことがわかります。


 一年に一度「先祖」と出会う=一年に一度出会う、彦星と織り姫。

『竹』に彩色の衣服を掛けて「先祖」の降臨を祈る=五色の短冊を掛けて祈る。

このように、様々な伝説や習慣が重なりあって、
現在の「七夕」ができあがってきました。
しかし、その原点は「先祖祭り」であったことを忘れてはいけません。


 冒頭の「お盆に帰省した?」は、
「先祖祭りした?」ということではないでしょうか。

「正月」の「初詣」、「お盆」の「先祖祭り」は日本独自の習俗習慣です。そして、「敬神崇祖」という日本人の「心」なのです。

いつまでもいつまでも守り続けたい日本の「心」なのです。

Posted at 2010年10月21日 17時40分32秒