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〜人生儀礼 編〜 その四

『七五三』という節目を越えると、ご家族・ご親族の皆様は「ホッ!」と一息。子供たちは、いよいよ本格的に将来を見据えた「勉学」の道に入ります。やがて進路に見通しがつくころ・・『成人祝い』の儀式を迎えることになります。


 最近『成人式』と聞くと、眉をひそめる方もいらっしゃることでしょう。

 それもそのはず・・厳粛な式典の時に、昔では考えられない「乱暴狼藉(らんぼうろうぜき)」を繰り返す若者が後をたちません。『成人式』こそ、一人の人間として「成人」を自覚するための人生最大の神聖な儀式なはずなのに・・?そこで、今回は「成人式」の真意を質(ただ)す意味においても、歴史を振り返りながら解説をしていきたいと思います。


 世界中どこの国においても『成人式』は、数ある人生儀礼の中でも最も古い儀式であります。ヨーロッパでは紀元前から行われていましたし、もちろん、日本におきましても飛鳥時代に始まり、奈良時代には確立された儀式として書物に記されているのです。男女共に、肉体的にも精神的にも大人になる事を意味する点や、不安定な霊魂がこれを機に安定に向かうという点は、世界共通なのです。日本人の『成人式』も、もとはそれらの意味において行われていたもので、皆さんも良くご存知の「冠婚葬祭(かんこんそうさい)」という言葉の「冠」が、飛鳥時代から伝わる『成人式』の儀式のことを意味するのです。


 「冠(かん)」とは《かんむり》のことで、奈良・平安時代の貴族社会では、男子は12歳になると紙を束ねて切り揃え「冠」をかぶって一人前の証しとされました。また、「冠」をかぶることを「元服」といい、かつて『成人式』を「元服の祝い」と称したのはこのことからなのです。ちなみに当時の女性は、13歳にして母になれる身体になれることから「成人」とされました。


 一方、庶民においても貴族にならい12歳が成人とされていました。しかし、時代が進むにつれて農業が中心に考えられるようになり、より現実的になり・・田畑において一人前の仕事ができることや、神事(両親、公に感謝し、社会に貢献することを誓うお祭り)に参加できること・・という観点から、15歳となり、やがて18歳と変化していきます。逆に、仕事が一人前でなかったり、神事に参加しない場合は「成人」とはみなされない時代もあったようです。このあたりは、現在の20歳になれば誰でも「成人」という考え方とは随分違っていますね!


 昭和23年に「国民の祝日に関する法律」で『成人式』の条文には次の通り記されています。

  『大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます』

 と、謳っています。昔と今を単純に比べることは少し問題があると思いますが、祝われる方にこの歴史や法律を少し勉強して頂けたら、『成人式』はきっと感動と感謝に包まれるに違いありません。


 皆さんの「成人」に相応しいと思われる年齢は、さて、何歳?

 ・・選挙権があること?お酒が飲めること?それとも・・・?

Posted at 2010年03月12日 17時31分12秒