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〜神社の鳥居をくぐって〜 その八

 我が国の「四季」は、繊細な日本人の心を作り上げ、「侘(わ)び」「寂(さ)び」を始めとする日本固有の精神文化を彩ってきた宝物なのである。・・と、以前にもお話ししたことがあります。ところで、現代においてこの「宝物」を五感で受け止めている日本人はどれだけいらっしゃるでしょうか?
 
 文明の発達や、利便性の追及は、時として「感性」を鈍らせ、「五感」をも狂わせてしまうこともあります。科学万能であるかにみえる今の日本にあって、「四季」を「五感」で受け止めることこそ、真の日本人の心をよみがえらせることに繋がると思えてなりません。今、世界で注目されている「クールジャパン(格好いい日本)」とは、日本の四季の旬を戴くことや、「和」の文化に触れることで・・「幸福になれる」のだ! とまでいわれています。いかがですか皆さん! 嬉しいことじゃありませんか? 最も古い日本の伝統文化が、今世界では、最も新しい「理想的な生き方」として地球上を駆け巡っているのです。しかし、残念ながら当の日本人は、この「幸福への道」を忘れてしまっているようです。ご参考までに、日本の「四季」の味わい方の一例をご紹介しましょう。

 その昔、「あるがままを受け入れよ」と説いた道元禅師(1200〜1253)というお坊さんが詠んだ歌です。「春は花 夏ホトトギス 秋は月 冬雪さえて 涼しかりけり」。この歌こそが、日本の「四季」の表現であり、日本人の研ぎ澄まされた感性なのです。それでは皆さんとご一緒に詠み解いていきましょう。

 「春は花」・・春は、「張る」で、すべての植物の芽が張るので「春」になりました。世界中どこでも花は見ることができます。しかし、頭上の花(桜・梅等)を愛でる習慣があるのは、日本だけだということをご存知でしたか? それこそ、その木の下で花見の宴を行うのは日本特有の行事なのです。古くは、花見の宴に上から降り落ちる花粉と共にご馳走を戴くと「生命の復活作用」があると信じられていました。「花より団子」にも意味があったのですね。

 「夏ホトトギス」・・夏を告げるこの鳥は、「うぐいす」ほど美しい声ではありませんが、朝から晩まで・・時には夜中まで鳴き続けます。日本人はその「勤勉」な様子が大好きです。夏に気を抜かず一生懸命、養生しながら働く。これが日本の生命線を支えてきました。

 「秋は月」・・十五夜・観月・お月見など、秋の夜長に「侘び」「寂び」を感じるひとときでもあります。月には神様や祖先を想い、お供え物をするというのも我が国ならではの慣習です。また、豊饒・収穫の時で、様々なお祭りが全国各地で繰り広げられます。

 「冬雪さえて涼しかりけり」・・雪国の方々には叱られてしまいそうですが・・。雪見酒・雪見窓などに象徴されるほど、その「純白」に清らかさや美しさを感じるのも我が国特有の感性なのでしょう。初雪に嬉しさを覚え、窓を全開にしてしまうのは・・私だけでしょうか?

 以上、「四季」の味わい方をお話しさせて頂きました。あなたも何げない季節の移り変わりを「五感」で受け止め、「感性」を磨き、日本人であることを再認識してみてはいかがですか?

Posted at 2009年06月13日 16時36分14秒