社会福祉法人のゆり会 のしお保育園は清瀬市西部に位置し、0歳児からの未就学児童を都営住宅の一階にある保育園で、お家と同じようにゆったりと健やかに育てます。
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(2019年11月)                 産んだ以上は子どもが一番

 いつもいつもワタクシゴトで恐縮ですが、わたしの二人の子どもたちが0歳から6歳までお世話になったK保育園は、もとは無認可の保育所でした。
初めての保活で第一希望の園に落ち、入園内定をもらった第二希望の園は、延長保育が使えない!延長をしていないわけではないのですが、0歳と1歳合わせて登録5名まで、という設定。当然、先に1歳クラスで埋まってしまうので、実質的には0歳は延長ナシです、とのこと。子育て支援課に必死で訴えたけれど、公正な選考結果ですのでー、と機械のような声で言われておしまい。仕方なくそこを辞退して近所の無認可に入れることに決め、オンボロ園舎を訪れたのは3月。ものすごく狭い事務室の、コピー機にくっつくように置かれたちゃぶ台で、入園面接を受けました。

 初めて顔を合わせた園長から「お迎えは何時になりますか?」と聞かれ、「一応勤務終了は5時半ですが、まあ実際出られるのは日によって、6時か7時か…」と言いかけたところで、「いやいや母さん、出産前と同じように働こうと思わないで。産んだ以上は、子どもの生活を一番に考えなきゃ。5時半で出るにはどうするか、それをやりくりするのがこれからの仕事のうちだからね。」
がびーーん。と、昭和な効果音が頭に響くほどの衝撃。いい大人になって、そうそう人とぶつかることもない育休生活の中、どうしてわたしは初対面のこの人に、コピー機の隣で怒られているのか…。やっぱり無認可にしたのは失敗だったかも。あんなボロボロの園に、あんな高いお金払わなきゃいけないなんて。と泣きそうになりながら、抱っこ紐の娘と歩いた帰り道。

 それから計9年、その保育園に、どれほど支えてもらったことでしょう。園舎はどこまでもオンボロで、狭い階段はすれ違えないから譲り合い、おもちゃは牛乳パック製かミルク缶製、もちろん園庭も無いから遊ぶのは隣の公園。保護者からのお土産なんて、のしおでは絶対頂戴してはいけない決まりですが、この園では大喜びで受け取って、みんなでバクバク食べちゃう。そして、職員は本気で子どもたちをかわいがり、子どもの為には保護者とケンカもする。人を育てるという仕事の根幹は、モノではなくヒトにあるということ、温かく賢い保育士がいれば、環境はどうでもなんとかなる。逆に言えば、どんなに豊かな環境設定も、豊かなヒトがいなければ何にもならない。ということを、わたしはこの園で学びました。

 その保育園が、制度改正の中で存続が難しくなり、認可園になるしか残る道はないけれど、階段が狭くて認可は取れない…となったとき。歴代の保護者たちが立ち上がり、土地を探し、募金をかき集め、ついに新しい園舎を建てて、現在は認可園として運営されています。でも中身は、たぶんそんなに変わっていない、はず。12年前、コピー機の隣でわたしを怒った藤田佐和先生が、今も園長ですし。どんな人か興味がおありの方は、玄関に掲示してある「第三者委員について」をご覧ください。お知らせが遅くなって恐縮ですが、昨年度から委嘱しております。わたしとの関係でも保護者の方の意向でもなく、子どもにとっての最善を考えてくれる方です。なので、相談したら園も保護者も、叱られるかもしれません。(嘘です、大丈夫、だと思います。)

Posted at 2019年11月01日 00時00分00秒

 
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