社会福祉法人のゆり会 のしお保育園は清瀬市西部に位置し、0歳児からの未就学児童を都営住宅の一階にある保育園で、お家と同じようにゆったりと健やかに育てます。
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(2017年5月)           「豚とニラのかき揚げはR君のリクエスト」

 保育園には、いくつもの会議がありますが、その中でも非常に重要な会議のひとつが「キッチン会議」。いきなり自慢になりますが、今までに何度も本や雑誌に取り上げられたほど、のしおの食事には定評があります。その食事作りや献立について検討するのですから、超重要。…なのですが、はらっぱでおやつを食べながらの会議ですので、その場にたまたまいる職員も自然に話に加わったりするのも、のしおの会議のいいところ。

 先日のキッチン会議で、5月の献立についてああだこうだと話しながら、<豚とニラのかき揚げ>というおかずの名前が出たときのこと。偶然そこを通りかかったIさんが、「R君のリクエストだ」とつぶやきました。

 リクエスト、というのは、ゆり組の子どもたちが、3月の献立で自分の食べたいメニューを挙げることです。一人ひとつ、給食でもおやつでも、毎日毎日食べてきた膨大な献立の中から、自分にとって究極の一品を選ぶのです。3月になるとみんなが「これは〇〇君のリクエストだ」「今日は〇〇ちゃんのだ」と、祝福のように喜び合い、楽しみにします。

 Iさんは、今年度はフリー保育士として勤務していますが、3月まではゆり組の担任でした。
「だめなんですよね、お昼に何が出ても思い出しちゃって。納豆のひと口揚げが出れば“Sちゃんのリクエストだ、元気にしてるかな”。おやつにかいじゅうドーナツが出れば“I君のリクエストだ、元気にしてるかな”って考えちゃって。最後に会ってからまだ何日も経ってないんですけどね。」と。

 担任していた子どもたち一人ひとりの選んだメニューは、忘れたくても忘れられない。(もちろん忘れたくないようですが。)遠くへ行った大事な人を偲ぶように、すぐそこの六小や四小やへ通っている、けれど毎日は会えなくなった子どもたちのことを、毎日毎日思っている。うまく学校生活に馴染めていないなどと風の便りで聞こえてくれば、心配で、でももう直接何かしてあげられることはそうないから、ただただ思っている。

 悲しい保育園のニュースが、しょっちゅうメディアに流れます。虐待や、変態や、違法な経営や。細かい報道を聞くにつけ、ありえない、ありえない、と皆で話しますが、でも、現実に、そういう園がある。給食を食べながら、そのメニューを好きな子のエピソードを話し出すと止まらない、そういう保育士がいるこの園と、その園に通う子どもたちには、何一つ違いはないはずなのに。

 世界中のどの子にも、特別に好きなおかずがあって、そのことを知っている大人が、親じゃなくても何人かいて、そのおかずを食べるときにはちょっとその子のことを考える。そんなふうなら、その子どもは幸せな大人になって、世界は今より良いものになる。と、思うのです。

※「はらっぱ」は、事務室の名前です、念のため。

Posted at 2017年05月01日 10時06分57秒

 
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