こげら会のブログです
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Self Control〜本当の悲しみ〜【スタッフ・ガイヘル日記】

今回のご利用者は、知的障がいとしては軽度ですが、
自閉症スペクトラムとしての特性が強い方です。
ケアこげらは何年も利用されている方でしたが、
私は今回初めて担当させていただきました。

初対面である私に臆する様子もなく、
礼儀正しく挨拶をしてくれました。
目的地について、玄関先でお母さんを交えて話した後、
何を持っていくかという選択もご自身でしていました。

ずいぶんとしっかりした様子に感心しつつ、
これはついて行くだけの楽しいガイドかなと、
その時は、思っていたのです。

忘れ物は無いと確認の上でスタート!
駅までの道すがら、
今回の行き先をとても楽しみにしていること
普段の過ごし方、自分の好きなものetc...
自分のことが中心ですが、積極的に会話をします。

会話の間を取るのは難しいようで、
絶え間なくおしゃべりしている感じです。
こんなに会話をしながらも支援は久しぶり!
本人の気持ちを言葉で聞けるのは嬉しいものですね。

しかし駅に到着後、状況は一変しました。
忘れ物をしたと言うのです。
ご利用者はひどく落ち着きを無くし、
大きな声で「困ったぁ」と言っています。
「いったい何を忘れたの?」と聞くと
「携帯(スマホ)を忘れた」とのこと。

あ!と思いました。確かに荷物の確認をしましたが、
携帯については、ご利用者も伏田も、そしてお母様もノーマーク。
携帯くらい何とでも…と一瞬思いましたが、
なんと交通手段はスマホに登録した電子マネー決済とのこと…
おお!携帯スイカと言うやつか、なんとハイテク!!

…いやいやそんな場合ではない!
本人は混乱している。あ!とまた思い出す。
スイカがバッグにあったじゃないか!
確認した時あったし、これなら問題ない。
しかし、バッグのスイカは通所用。チャージも無し。
ここまでの逡巡は2分ほどのことですが、
目まぐるしく頭の中であれこれ考えました。

急いで取りに戻ることに…
本人としてはとても楽しみにしていた時間が減ります。
だからすごく悲しい。しかし誰のせいと言う訳でもない。

家に戻る道すがら、不穏な様子を見せながら、
「携帯を噛んじゃう、投げちゃう」「小さい子供を突き飛ばすんだ」
などと言い募っていました。

本当に子供を突き飛ばされては困るので、
周りに配慮しつつ、落ち着いてもらうように促します。
「こういうミスもたまにはあるよ、仕様がないよ」
「最短ルートで目的地に行けば、時間のロスはほとんどないよ」
思いつく限りのセリフを並べました。

自宅に戻ると早速携帯を嚙んでいましたが、
落ち着きを取り戻され、楽しいお出かけが再開しました。

不測の事態に直面しただけで、
こんなにも心が乱れてしまうのか…
大変そうだな、辛そうだな、
できれば混乱なく過ごさせてあげたいなと思う反面、
いろいろな経験を積むことで、
自分でコントロールする力も身に付けていって欲しい。
そう感じた一日でもありました。(hide)

Posted at 2017年04月17日 09時00分00秒