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2018-03 の記事

カートエンジンの点火...

考察,梁海

正確な点火時期の合いマークが、メーカーのマークがあるのでは・・・という
意見もあるだろうが、これはローターとステータ(コイルが付いているアルミ
の円盤)ともに鋳型についているマークで、そんなマークが正確に合っている
わけがなく、点火時期を正確に知るにはエンジンにセットされている状態を
正確に再現しなければならない。
ローターとステータ(コイル)の奥行のセット、マグネットとコイル鉄心の
クリアランス等がそれであるが、その要素を再現し約4分の稼働を行ったあと
ケガキ線を引いて、それを合いマークとする。

今回のコラムのテーマは「空冷エンジンの熱ダレ」である。
一般的に内燃機関は点火時期を早めにした方が、低回転から高回転に移行する
際のトルクが大きくなる。
これは要は「コーナーたち上がり」を意味している。
一方、エンジン高回転の伸び(ストレートの最高速)は点火時期が遅めの方が良い。
しかしスプリントカートエンジンは稼働時の点火時期の自動変更はレギュレーション
で禁止されているため、セットされた点火時期はその位置で使用される。

このような場合、点火時期が早すぎるセットをすると実際のレースでは時として
エンジンの「熱ダレ」の問題が生じる場合がある。
特に空冷エンジンの場合熱的飽和状態にみられる「熱ダレによるタイムの落ち込み」
という深刻な状況に陥ってしまう。
例えばKT100エンジンではメーカーの新品時の点火時期のセットは上死点
前2.5ミリにセットされて出荷されている。
又、全日本併催のJr、Jrカデットのレンタルエンジンは新品エンジンと
ほぼ同じである。
上記2クラスは自分でセットできない内容なので、レースではシャシーセットに
集中するしかないがマイエンジンで走る各シリーズ戦では、エンジン要素の競争も
あるのは事実で速さを求めて点火時期を早くしすぎると、たった2〜3周でエンジン
の熱ダレによるタイムの落ち込みに陥ってしまい、タイトラはそこそこ前で予選決勝
で後退してしまったりする。
KT100の点火時期については、私の経験から上死点前4,2mm〜2,5mm
が実質的な点火時期の範囲と思われるが点火時期が早くなればなるほどエンジンの
熱ダレは速く来ると考えていいだろう。

上記のように熱ダレも考えた点火時期のセットがマイエンジンのカテゴリーでは
重要になってくるので、その点も考えて点火時期セットを進めた方が決勝結果の
向上が図られると考えている。


Posted at 2018年03月27日 09時55分25秒  /  コメント( 0 )

カートエンジンの点火...

以前にもカートエンジンの点火時期について、このコーナーで書いているが
最近の国内レースに於いてエンジンがワンメイクのカテゴリーが殆どであるので
再び考えて見よう。

CIKのレギュレーションによると、エンジン稼働中の点火時期の自動変更が
禁止されている。
これによってエンジンメーカー同士の無駄な開発競争を抑え、全体のコストを
なるべく低くしようということがその目的である。
まして多くのカテゴリーがエンジンがワンメイクである場合、点火時期の開発費が
エンジンコストの上昇を招く場合、当然のように回避するべきである。

本来のエンジン性能を考えた場合、加速領域(トルク重視の回転域)の場合、
点火時期は早めの方が速く、ストレートの最高速領域(パワー重視の回転域)は
加速領域の点火次期よりも遅くする場合が殆どである。
又、X30あるいはROTAX MAXのように、エンジン屋さんでの点火次期の
調整が不可能なエンジンもあるが、このようなエンジンではそのまま使うしかない。

日本国内での使用されているエンジンで調整して使うことができる主なエンジンは
ヤマハ KTとPRD アバンティーであろうか・・・
アバンティーのニュータイプに変更になった後はテストしたことはないが、KTに
ついては20年以上前に購入した、カートエンジン専用の点火時期をチェックする
機器でエンジン稼働時のテストを行い、正確な点火時期の合いマークを施しOH
を行っている。

KTエンジンの点火系はTCIと呼ばれているが、これはトランジスタでスイッチング
を行う点火系のシステムであるが、理論は同じ鉄心上に1次コイルと2次コイル
の2系統のコイルを巻き付け、巻き回数の少ないコイル側の電流をトランジスタで
スイッチングを行い、そのスイッチが切れた時に巻き数の多い2次コイル側に
高電圧が発生しそれを利用しスパーグプラグにスパークを発生させている。
この際に問題となるのがスイッチングを行うトランジスタの熱特性である。
トランジスタは電流が流れると熱を発生する。
この熱を放熱(冷却)するために、この半導体の背中に放熱板を固定し外気に
さらすことで冷却を行う。KTエンジンのコイルの上に見えるアルミの小さい
板はこの放熱板である。

レーシングエンジンで問題になるのは、この際の熱特性でその温度変化で
トランジスタのスイッチングのタイミングがずれることである。
従って正確な点火次期を知るには、そのトランジスタの飽和温度に達した後の
点火次期の合いマークが必要になる。

外気温度で若干の違いはあるが、このトランジスタが熱的飽和状態にあるのに
10000RPMでローターを回転させて約4分かかる。
つまりこの時間経過後でなければ正確な点火時期を知ることができないので
点火系をセットで4分以上機器上で空転させて、その後に正確な合いマークを
ヶ書いて正確な点火時期の位置としている。


Posted at 2018年03月17日 16時42分19秒  /  コメント( 0 )