レーシングカートのシャシーとエンジンの速さを追求するページです。
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2014-06 の記事

お詫びと訂正(キャス...

キャスター角の理解について誤りがありました。
自動車工学的にはキャスター角の定義は下記になります。

キャスター角= 90°-キングピンとGL(グランドライン)の角度

これが正解ですが、私のコラムあるいは記事の中では下記に置き換えて理解してください。

キャスター角=キングピンとGLの角度

イメージ的にはこれのほうが分かりやすいためそのようにお願いいたします。
試験等での回答は正解の方を記載してください。
申し訳ありませんでした。


Posted at 2014年06月03日 14時06分22秒  /  コメント( 0 )

随分古いブログの記事...

最近ブログのページアクセスをチェックしましたところ、面白いことが分かってきました。
2009年ころのシャシーセットとドイツ国内選手権のサポート記事が、今でも多くの方が読んでくれているということです。

そこで私自身が選んだ参考になる記事を、さらにコメントを入れてアップしていきたいと考えました。

その第1段「シャシーセットの重要性」です。


テーマ「キャスター角の重要性」

私は常日頃「速く走ること」の重要な要素は「シャシーセット」に尽きると考えている。
速いエンジンを使いたがるドライバーの気持ちも分からないではないが、根本的にレギュレーションがあるため殆どのカテゴリーは「エンジン性能は同じ」と考えることが必要である。もちろん「勝つため」には「勝てるエンジン」が必要であるが、それとて使い込んだエンジンとOH仕立てのエンジンとの差は0,2〜0,3秒ほどの違いしかないと思っている。
しかしながら、その差に対しシャシーセットでのタイム差は時によっては1秒以上になることがしばしばある。
このような際に特に重要なセットであることが多いのが「リアトレッド幅とキャスター角」の関係であるが、このことについて再度考えてみたい。

特にレインセットの際に「サイドBOX側端よりもタイヤが出ていなければならない」というレギュレーションの車両規定により、この車両規定が適用になる前よりも雨ではリアトレッドを広くした状態で走らなければならない状況になっている。
これは来年度からSL規定では除外されると聞いているが、しかしJAF規定のレギュレーションで行われるカテゴリーでは当然のようにこれに従わなければならず、少なからずシャシーセットに苦慮する場面が多い。
基本的にリアトレッド巾がワイドな状態では理論的にコーナー進入でカートの向きが変わりにくい、いわゆるアンダーステア状態に陥ってしまう。
それを緩和するために、近年販売されているシャシーの殆どはキャスターアジャスト機能を備えている。その殆どはナックルを固定するエリオットの上下のキングピンを受ける場所に偏芯機能を持たせ、その偏芯カラーを上下とも回転させることで任意のキャスター角に調整できるようになっている。
キャンバーとの兼ね合いから、その調整範囲を考えた場合、スタンダート状態では使用できるキャスター角を大別すると3種類になる。
1、 シャシー本来の基本設計値(中間キャスター角度)
a,上下とも同じキングピン穴位置
2、 キャスター角が一番寝ている状態(キャスター角が一番小さい角度)
 a,上のアジャスターのキングピン穴位置を後側
 b,下のアジャスターのキングピン穴位置を前側
3、 キャスター角が一番起きている状態(キャスター角が一番大きい角度)
 a,上のアジャスターのキングピン穴位置を前側
 b,下のアジャスターのキングピン穴位置を後ろ側
ということになり各々abのセットでキャスター角を任意に調整できる。
シャシーメーカーによっては、さらにオプションパーツとしてセンターのキングピン穴位置のアジャスターを用意している。
これを上あるいは下にセットし。各々反対側に偏芯アジャスターを使うことで上記の1と2の中間あるいは1と3の中間のキャスター角をセットできる。
このように、偏芯アジャスターを4個とセンターアジャスターを2個準備することで、実戦的に使えるキャスター角は5種類を選択できることが分かる。
ナックルのスピンドルとキングピンの角度は固定であるのが殆どであるため、実戦的には上下にセットした偏芯アジャスターのどちらかを微妙に回転させることで、ゼロキャンバーあるいはネガティブキャンバー、ポジティブキャンバーの調整を行いフロントタイヤの接地面に対する微妙な調整が必要になってくる。
これは写真を参考にセットの目安として応用していただきたい。
上記の微妙な調整は、走行時間の多いシャシーは当然のようにフロントメンバーが歪んでおり、その補正をする意味でも必ず必要になってくる調整である。
このような微妙な調整にはレーザー光線タイプのトーインキャンバーゲージがあれば非常に短時間で調整できるが、最近比較的安価なものも販売されているのでこれを活用することでレース時の調整時間の節約が可能になる。

次に路面変化に対するキャスターセットの傾向を考えてみよう。
概ね下記の傾向がある。

 路面のブリップ        良い             悪い
 キャスター角     小さい(キングピンが寝る)  大きい(キングピンが起きる)

ドライ路面では、上記の傾向にしたがってテストを行いベストタイムを探ってもらいたい。

さて問題は雨の路面であるが、上記の傾向に従うと 雨=路面が悪い と考えられがちだがドライのときのリアトレッドと違いサイドBOXよりもリアタイヤは出ていなくてはならないというレギュレーションに従うと、通常理論的に考えられるリアトレッド巾よりもワイドな状態で走ることを強いられる事になる。
この縛りが無い場合、雨のレースではリアトレッドを狭くすることがアンダーを解消する簡単な手法としてかつては行われていた。
かつての雨天走行時の写真を見ると、概ねサイドBOXよりリアタイヤが奥に入っていることを確認できるのはそれが理由である。
ではこれができない場合どうすればいいのか?
ズバリ「キャスターを寝かせる」ことがアンダーを解消する手軽な手段と考えてよい。
キャスターが寝ることで、ナックルスピンドルの動きはハンドルを切ることでシャシーに対して上向きに大きい角度で回転するが、この動きがハンドルを切った際にリアのインリフトをし易くするのである。
インリフトをし易くするもう一つの手法として、ネガティブキャンバーを大きくするというセットもあるが、この場合フロントタイヤの接地面が減少するので長丁場のヒートではフロントタイヤの消耗的に不利になることを考慮しセットを進めたい。
又、ネガティブキャンバーでフロントトレッドをワイドにした場合、シャシーの車高は結果的に下がってしまうためフロントタイヤの荷重を上げたい場合、逆のセットになることを理解しておきたい。

キャスターを寝かせたときに同時に起きる問題として、リアタイヤのグリップが不足するという現象が現れる。
前号で藤原編集長のセッティング基礎講座でも述べているが、リアトレッドが広いことはタイヤの縦加重が少なくなるということでリアタイヤに負荷がかかりにくくなり、タイヤの発熱が十分に行われなくなるのがその理由である。
このようなセットの際のリア回りの寸法を見ると、もし同じリアホイールハブを使用しサイドBOXよりレインタイヤが出るように組み立てると、殆どの場合ドライのリアハブの位置より外側の位置になる。これは同じリアアクスル(シャフト)を使った場合シャフトの自由長が長くなり「シャフトがよりしなる」という方向性になってしまう。
上記は「カートの向きは変わるがリアタイヤのグリップ不足でコーナリングスピードが上がらない」という現象として現れる。
そこでロングハブを使ったり、あるいはシャフト自体を硬いものに換えタイヤに負荷をかけやすい方向のセットも同時に行うことで、リアタイヤの発熱を促進させグリップの向上を期待できる。
又、路面の状態とはあまり関係が無い、コースレイアウトに起因するセットとして重要なセットもある。
平均スピードが高く、ギヤー比を下げたほうがタイムが上がる傾向のあるコースは極端なセット変更を一回してみることをお勧めする。
遠征してレース参戦する場合などは、自分のホームコースでのセットでそのまま走ってしまう場合が多いが、ストレートが長くその後のコーナーがタイトで進入速度が速い場合、ブレーキングの時間を短くするセットのほうが一周して速い場合もある。
そのようなコーナーが多いコースではキャスター角が大きめのほうがブレーキング時間を短時間にできるセットであることを利用し、キャスターを一回起こして走ってみる必要がある。このような場合にはその他のコーナーでの妥協が必要になるが、「一周で速いこと」がレースでは結果がでることを理解したい。


以上述べたように、キャスターセットと路面の状態、あるいはキャスターセットとコースレイアウトとは密接な関係があり、その方向性を理解してからセットを短時間で探せる手法を身につけてもらいたい。


Posted at 2014年06月01日 13時26分45秒  /  コメント( 0 )