レーシングカートのシャシーとエンジンの速さを追求するページです。
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2011-10 の記事

近年のレース界の環境...

近年レース界を取り巻く環境が大きく変わりつつあります。
対ドルと対ユーロの為替変動による円高、これに伴う工業会の製品輸出に対する競争力の低下に伴う国内生産の縮小、特に車産業の国内生産の海外移行は日本国内産業の空洞化と衰退を助長します。
又、社会のニーズに対応する車造りが変化しつつあります。
車をつくるメーカーはそのニーズに対応するには、従来の「レース参戦から得られるフィードバック」が非常に少なくなっているのが現状です。
このような社会環境の中でメーカーのレースからの撤退は今後ますます多くなっていくと考えられます。
自動車産業が日本の経済発展を牽引してきたことは言うまでもありませんが、このような社会環境の中「レース文化」を持たない日本では「レース界」の衰退が今現実のものとして表面化してきているのが現状です。

一方ヨーロッパに目を向けて見ましょう。
その中でもことドイツでは有名な自動車メーカーが存在し、自動車創世記からその自動車で競争することが「良い車づくりにつながる」という「メーカーポリシー」があります。
そんな社会環境で育ちレースに興味をもった若者はごく自然な流れでカートレースに参戦します。
「車のレース」が「モータースポーツ文化」として根付いているヨーロッパでは子供が参戦するカートレースに家族が応援に来ます。
ドイツでも同様で小さい子供はバンビーニというクラスからの参戦です。
このクラスのエンジンはヤマハKT100SECよりも少しパワーが低く、シャシーにはロールバーを備え接触転倒してもドライバーの子供にダメージを少なくできるようなレギュレーションでレースが行われます。
KF3以下のカテゴリーとしては日本と同じようにMAXのレースも行われていますが、本格的に上を目指すドライバーはバンビーニの次はKF3に参戦します。
KZクラスもレースが行われますが、これはおじさんの趣味的なレースで本格的ではあるがけしてプロドライバーを目指す選手のカテゴリーとは言えないようです。
プライベーターの参戦はほとんどありませんが、しかし「メーカーワークス」も存在しません。

又、ドイツは周りの国からのレース参戦も多く自然と各カテゴリーのレベルも高くなります。
ほんの少しでも気を抜こうものならインをさされ、あっという間に次々に追い越されてしまいます。そんな中で最後まで残って結果を出すことを経験することは、自然と「強いドライバーへの成長」につながります。
走っている選手にとって一番励みになるのは、今ドイツで走っている駿君にも既に四輪からのオファーがあったように、四輪のカテゴリーの関係者が見ているということです。
見ているというよりもカートレースを走っている選手の中から「速いドライバーを探している」のです。
はじめての本格的カテゴリーに参戦する選手の多いKF3にこそ、速いドライバーを探す価値があるのかもしれません。
ドイツ国内選手権で活躍することで、ヨーロッパの四輪で走れる機会がすぐそこに近づいて来るというこの素晴らしい環境が選手のモジベーションを高めます。
したがって当然のようにレースの内容は日本の比ではありません。その厳しさは実際に見て走ったもののみが感じるところです。
そのような厳しいレースで鍛えられた選手はごく自然に「強い選手」になり、同時に「速い選手」になります。
四輪に上がるステップとして、世界選手権であるいはヨーロッパ選手権で活躍することはけして必要条件では無いと私は感じています。
ドイツで走って速くて強い選手になることが、今の時代のレーシングドライバーに求められている要素なのです。
以前にもブログで紹介していますが、ドイツ国内選手権はけしてプロ化された高度に洗練されたレースではありません。
メーカーワークスが存在しないことが高度なアマチュアリズムを存続させていると思われます。各々の選手はチーム体制を自分が選択できる範囲で整えてはいますが、それはけして「ワークス」ではありません。
「速さに繋がる才能」と「強さに繋がる才能」があれば、ドイツ国内選手権は十分活躍できるレースフィールドであると私は実感してきました。
「モータースポーツ文化」のある国でレースをすることが選手の才能を開花させる一番大きな要素であると感じるのは私だけではないと思います。

現在の日本に抱える問題と思われる事象は、ある意味ではチャンスでもあると思います。
例えばユーロに対する円高は、日本からヨーロッパに遠征することを考えると非常に有利に働きます。
必要なことは「ピンチをチャンスに生かす」考え方です。
このように臨機応変に考えることで自分のチャンスをどのように考えるか、どのように行動するか非常に良い時代に遭遇しているかもしれません。

ダイヤモンドは最初から輝いているわけではありません。
カットされ磨かれて初めて輝き始めます。
レーシングドライバーも全く同じだと私は思っています。
君たちの千載一遇のチャンスを自分の手で引き寄せてください。

   NRU 根田


Posted at 2011年10月11日 12時47分37秒  /  コメント( 0 )