レーシングカートのシャシーとエンジンの速さを追求するページです。
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2011-01 の記事

ドイツ到着

本日の日本時間夜中の1時30分にドイツに到着しました。
飛行時間約12時間、やはり遠いですね・・・(笑)
ミュンヘンの郊外の岩満さん宅に到着しました。


今回私がサポートします駿君親子です。
ドライバーは俊君です。
参戦カテゴリーはドイツ国内選手権KF3クラス。


さてさて、これからシャシーの確認とメンテナンスです。
それでは後ほど又報告します。


Posted at 2011年01月24日 10時05分14秒  /  コメント( 0 )

エンジンメンテナンス...

さてさて、ドイツに来てすでに2週間になります。
昨日と一昨日にテストをしてきました。
来週行われる国内選手権にエントリーしていますので、本番に備えてのテストです。
テーマはもちろん「トップタイムに迫ること」ですが、それに向けて好感触の結果を得ることができました。
いよいよ今週はそのレースに向けての準備です。
シャシーを含め一番大切なエンジンのメンテナンスを始めています。
日本の工場でOHするのとは違い大変ですが、必要十分な工具も持ち込んでいますので若干時間はかかりますが、十分良いエンジンができそうです。



こんな感じの場所でOH作業を行っているのですが、実はここは駿君宅のガレージです。
必要なものは揃っているものの、いささか勝手が違うため時間が余計にかかります。

これはこちらのKF3クラスの選手の90%以上の選手が使っているキャブレターでBOLEX
というキャブレターです。




私の今までの経験の中でこのように素晴らしキャブレターは見たことがありません。
どこで作っているかわかりませんが、内部の構造とつくりの良さはピカイチです。
いやはや日本に情報がこなくてもこんなすばらしいキャブがあったとは・・・。
キャブのOHとセットは終わり、エンジンのOHに入っています。
もしKF2、KF1、SKFのキャブが存在したらかなり高い確率で「当たり」のキャブでしょう。
内部の部品も独自のものを使っていて、チェック圧のセットもすぐ出ますしその変化に微妙に反応するすばらしいキャブです。
日本でもKFクラスの選手は探してみてはいかがでしょうか。
では一仕事・・・・


Posted at 2011年01月24日 10時01分38秒  /  コメント( 0 )

命題(ドイツ人ドライ...

皆さんすでにご存知のように、F1ではドイツ人のセバスチャン ベッテルが今年のチャンピオンをとりました。
今年後半の安定した速さは、十分にチャンピオンの資格があることを自ら証明したことになります。
これで又ドイツ人レーシングドライバーの評価が上がることでしょうが、私はドイツから日本に帰った後「なぜドイツ人ドライバーが速くなるのか」という命題の答えを考えていました。
次のような話をドイツ人自身が話しています。
ドイツ国内選手権で上位を争うドライバーがイタリアのWSK等のレースにエントリーすると、予選ぎりぎり通過する程度で上位にはなかなか入れないと・・・。
確かにイタリア国内の本格的レースでは、特にWSKでは勝つことを要求されるメーカー系ワークスあるいは準ワークスの全てがエントリーしているといっても過言ではありません。
それに比較するとドイツ国内選手権ではメーカー系ワークスはエントリーしてきません。
全ての選手が大小のチームには所属しているが、基本的にはプライベーターであるという点がイタリアのWSKに比較すると大きな違いです。
成立しているカテゴリーも、下からバンビーニ、KF3、KF2と3クラスがDKM、ADAC、DMV各々の国内選手権で開催されています。
以前のブログでもお伝えしていますように、ドイツ国内では「カートレースは下から着実にステップアップする」というスタンスがごく当たり前のようです。
6歳頃からバンビーニを約6年やり、その後にKF3・・・・せっかちな人にはちょっと気が遠くなるように感じるわけですが、12歳前後ですでにカート歴7年という選手が多くこの辺に「ドイツ人ドライバーが速い」秘密があるように感じます。
さらにバンビーニクラスにはA、B、の2クラスあり、Bはいわゆる初心者的クラスです。
大抵は混走ですが章典は分けて表彰します。実はこのバンビーニA+Bクラスがスプリントのカテゴリーで一番台数が多いのです。
今のドイツ人F1ドライバーの若手は基本的にこのようなシステムの中でステップアップして育ってきたドライバーです。
ワークスが参戦しないドイツ国内選手権で、その選手の環境ではもちろん「勝利」を目指して走るのですが勝利が全てではなく選手同士の戦いの中で「ドライバーとして成長する」という環境が無理のないレース環境の中にあると思います。
ヨーロッパのコースはコーナーのRが大きいと言われていますが、ドイツ国内のコースはけしてそんなことはありません。
意外と小ぶりなサーキットで、全てのカートのタイヤがハイグリップであることでドライであれば日本では考えられないくらい路面にゴムが乗ります。
当然のように路面状況はレースのときのみの路面となり、刻々と路面状況が変わる中ではシャシーセットをピッタリ路面に合わせることなど不可能になります。
雨が降ったりするとなおさらで、ドライバーの技量が結果に繋がるといっても過言ではないのです。
そのような中で成績を上げるには、ドライバーは自分自身の力に頼るしかなくレース内容はまさしく「ドライバーの戦い」になります。
各々の選手は、シャシーセットは大きく外れていないところでドライビングテクニックで速く走ることを要求されます。
このような状況がまさしく「ドライバーを成長させる環境」となるのです。
すばらしい車を生産するドイツには、このようなモータースポーツ文化が歴然と存在し、そしてこの環境が優れたドライバーを育成している理由の一つであることは間違いありません。

ドイツ国内の高速道路を車で走ると、みんな結構なスピードで走ります。
スピード制限のあるところではスピード違反の速度により、20キロまでであれば罰金も少なく(2〜3千円程度)減点もないとか・・・・
そんな事情もあるとはいえ、スピードを出す車が多い理由の中にドイツの自動車学校では「それなりにスピードを出しなさい」と教えるそうです。
したがって高速道路では極端に速度を下げて流れに乗らずに走る車は皆無といっても過言ではありません。
運転が好きなドイツ人は、オートマチック車は使わず殆どマニュアル車で走ります。
事実オートマチック車を探してみると探すのに一苦労します。
自動車の発祥の地であるドイツでは、このような車に関する逸話はごく普段の生活の中に存在します。
そのような環境で育つドイツ人はごく自然に子供にモータースポーツを勧めるという「これからレーシングドライバーを目指す」人材にとってかけがいのない環境を社会が提供しているといっても過言ではないように思います。

近年のドイツ出身F1ドライバーを上げて見ましょう。
ティモ・グロック、ニック・ハイドフェルド、ニコ・フィンケンベルグ、ニコ・ロズベルグ、ミハエル・シューマッハ、エイドリアン・スーティル、セバスチャン・ベッテル
以上のように才能ある多くのドライバーがいますが、まだまだこれから多くのドライバーが上がってくることでしょう。
ドイツ周辺のオーストリア、スイス、ベルギー、ポーランドをはじめ色んな国からドイツ国内選手権にエントリーがあり、中にはロシアからの選手も参戦していました。
先日のレースにエントリーしている選手の中から、おそらく2人はF1まで上がっていくことを考えると、そのようなレースにチャレンジする意味が見えてきます。
周辺諸国のF1ドライバーはドイツのカートレースで才能を育てたといっても過言ではないかも知れません。
そのような状況の中、二つのレースをサポートしてきました。
はたして私のやり方がどこまで通用するのか不安なところもありました。
しかしやはりドイツのカートも同じカートでした。
レース経験の遥かに少ない選手を指導するのに、先に述べましたように路面の状況を的確に判断するのは非常に難しく、他の選手と同様に「大きく外れていないセット」で各ヒートを走るしかありません。
そこで2レース目の日曜はコース全体の「走り方」に注目し、全てのコーナーでいわゆる「駄目出し」をしていきました。
その効果が決勝では的確に現れ、タイムトライアルさえしっかりタイムを出せば5位〜8位あたりを走れることを確認できたのです。
その点では「ドイツ人も普通の人間」でした(笑)。
むしろ経験年数から考えたらドイツ人ドライバーは成長が遅いように感じます。
そう感じさせたのは、とことんカートを経験したメカニックが少ないのが原因なのかも知れません。速さに繋がる走り方を教える人材が不足している事情は間違いなくあるようです。
カートから四輪にステップアップする手法はいくつか存在しますが、カートのレース経験の中からより多くの「速くて強いドライバー」になるための要素を勉強できるカテゴリーはそんなに多くは無いと思います。
ドイツ国内選手権はまさにそんなレースであると実感してきました。


Posted at 2011年01月24日 09時59分27秒  /  コメント( 0 )

ドイツその3

次回レースまでの約2週間あります。その間の練習とテストを2日間行いました。
その一箇所は次回ADAC国内選手権が行われる「カートバーン アンフィング」。
ミュンヘンから東へ120キロ走り、ほぼオーストリア国境に近いところにあります。
車のための道路が整備されているドイツでは、120キロの道のりはあっという間で感覚的にはちょっとそこまでという感じです。
土曜の練習でしたが、次の日に地方レースが開催されるということで走行台数も多く路面のグリップ状態もよくなると予想されましたので練習には絶好の日和です。
このコースは高低差が6メートルほどあり、全てがテクニカルセクションという感じで非常に面白そうなコースです。
シャシーセットを進めながら色々テストしていきます。
今までのレースでは朝のフリー走行ではまあまあのタイムが出るのに、レースが進むにつれタイムが落ちていく現象があったとのことで、シャシーの全てを細かく見直し原因をしっかり把握できる状態でサーキット入りします。
レースでの予想されるトップタイムの約2秒落ちから始まり、徐々にタイムをつめていくのですがその後なかなかタイムが詰まりません。
走行台数が多いため走るたびに路面が良くなっていきグリップが上がっていくのですが、前回から注意していた走行ラインもかなりよくなっているのですが、いまひとつ安定しません。路面のグリップが上がってくるとドライバーは体力が必要になってくるのですが、その点でも問題が出ました。
非常にトリッキーな下りストレートにあるシケインでカートが暴れるときに腕力でそれを押さえることができていません。
こうなると当然にようにセットにタイムが反応しなくなり、どこがいいのか分からない状況になってしまいます。
そんな中でもトップタイムの0,5秒落ちまで何とかタイムを詰め、練習に来た効果があったと思いますが、タイムの安定度が低くレースではかなり苦戦を強いられることが予想されます。
しかしながらこの段階で本日は時間切れです。
こちらのレースではタイヤの巾こそ違いますが全てのカテゴリーがハイグリップタイヤを使います。したがって時間とともに路面のグリップがどんどんあがっていき午前中は普通のタイヤのスキル音なのですが夕方近くなってくるとスキル音が全く違う音になるのです。
説明が難しいのですが、タイヤと同じゴムのみの路面で走っているようなもので、コーナーでタイヤにGがかかると強靭なグリップで滑らないためにタイヤが横方向に弾んで10センチくらいずつズレが生じ、ズレが止まったときのギュワというような音がします。
私は日本のコースでこんな音は聞いたことがありません。あまりのグリップにタイヤがこらえきれずコンパウンドにブリスターが起きてきます。
走っているカート全てのタイヤにできるほどです。
これはドライバーとしては非常に良い経験になるはずです。
この領域ではセットを合わせるなどということは不可能に近く、当たらずとも遠からず適セットで、ドライバーの力で速く走ってもらうしかありません。
次回に続く・・・


Posted at 2011年01月24日 09時57分30秒  /  コメント( 0 )

ドイツ完結編

さて次の日も違うサーキットで練習です。
こちらのコースでは日曜ですが走行台数も少なく、MAX、X30、4サイクルスポーツカートとタイヤも一定ではなく路面は期待できません。
KF3の台数は1台ですが、そんな中で今まで注意してきたことのおさらいです。
路面グリップが上がらないためスムーズなラインを取れず意外と苦労しますが、それでも反復練習をするに越したことはありません。
そんな中、コーナー進入でしっかりカートがとめることができずクリップに厳しく寄れないことが分かってきました。
ブレーキをチェックしたところパッドを社外品を使っているとのこと。
踏み方で対処するように指導します。最初の一踏みで90%以上のタイヤロック付近まで踏み込むように話をします。
慣れないせいかなかなかクリップに寄れません。
その他のセット変更も進めながら、路面の状況もよくなる気配がないため本日の練習は少し早めにやめることにします。

さてADAC最終戦は金曜から始まりますが、この時点で4日しかありません。
その間は走る機会はなく金曜の公式プログラムになります。
ここからエンジンの準備にかかりあっという間に金曜日が来ました。
金曜の午後にはKF3のタイムトライアルがあり、それまで約15分が3本しかテストの機会はありません。
例によって走るたびにどんどん路面のグリップが上がっていきます。
選択したシャフトはNタイプ、しかしこちらのKF3のタイヤはフロントが4,5サイズでリアが6,0サイズの日本では存在しないタイヤのセットです。
使用シャシーはTONYですが、テストを繰り返すうちにシャフトセンターのBGブラケットボルトを外した方がタイムが安定するセットであったため、それでタイムアタックに挑みます。
選手が以前から所属しているチームのデータからエアー圧も冷間0,65前後、まだラインが安定しない傾向がありますが、このまま気合を入れさせていざタイムアタック・・・。
結果は30台中28番手です。
ここまではピットロードから走り出すまで私がメカニックで付いていましたが、ここからお父さんに代わってもらいます。
こちらではパルクフェルメにはメカニックは一人しか入れないのです。
したがって今後は各ヒートの走り方、カートの動き、路面の状況を「見て判断」するしかないので、KF3のヒートのたびにコースのできるだけ多くを見れる場所に私が移動して指導することにしました。
路面のグリップがピークになると、カートは特にトリッキーなテクニカルセクションで暴れますがこれを腕力で押さえつける体力が必要になります。
駿君のタイトラのベストタイムは4〜5周目、他の選手は8〜9周目であることに気が付いていた私は、完全なる選手の体力不足を感じていました。
他の選手が8周目でベストが出るタイヤの空気圧で走って、4〜5周目でベストが出た後集中力が切れるのは明らかに体力不足です。
その他、やはりコーナー進入でしっかりクリップにつけない現象が出ます。
グループ分けの結果Cグループで予選ヒートは次の日の土曜に2ヒートということになりました。
そこでブレーキパッドを純正のものに変更することを決断しますが、ディスクの表面が荒れているので高速カッターを使用しディスクの表面を研磨することにしました。
もうパッドがディスクに馴染む時間がないからです。
ブレーキの踏み方を従来から話していたせいか、パッドを交換したらほぼブレーキ区間のタイムとラインが合格点にすぐ達しました。
さらにヒートごとに走り方をチェックし、シケイン等での車の動きが後手後手になっている点を指摘します。
つまり次のコーナーの準備が遅いという点です。
こんなことを予選2ヒート続け何とか安心して見れる状況までドライビングが変わってきます。
トップ差1,5秒のタイム差が0.7秒まで来たのですが、これはタイムトライアルのタイムとの差であり実質的には平均であと0,3秒詰まればトップ10以内を走れるところまで来たのです。
図らずも、この事実はファイナルで実証されることとなりました。
25番手スタートだったのですが、最初の10ラップは数珠繋ぎの前15台よりも遥かにペースが速く前が邪魔でしょうがない状況で、「レース経験」がもっとあれば楽に抜いていける状況を再現してくれたのです。
この時点で今回わたしがドイツに来た目的は達成したと言っても良いと思います。
あれだけ「カート乗り」ができてなかった選手が、キャリア7年の子供たちと戦い「しっかりしたカート乗り」になれたこと、チャンスを生かせばたった2年目のキャリアの駿君がシングルを走れること、これは大きな自信に繋がります。
子供たちを教える場合、多くは同じことを「何回も何回も」話して教えます。
それは回数にしたら50回を超えるでしょう。この期間普通では2年かかります。
しかし、駿君はせいぜい実質的に6日に満たない期間でそれを成し遂げたのです。
後は「教えられたことを忘れないこと」「体力をつけること」この重要な点をしっかり話をして、私はレースが終了した次の日の月曜に日本に帰ってきました。

今回のドイツ訪問は2回目ではあったのですが、前回の期間にくらべれば3週間と長く私にとっても厳しいものがありました・・・(笑)
特にドイツの食事が合わず帰国して4キロほど痩せていることに気が付きました。
ドイツに限らず、ヨーロッパではカートレース界は分業化がしっかりしています。
エンジン屋、メカニック、売る側のカートショップ、こんな事情の中で特にエンジン屋とセットを含めたメカニックが同じであることの重要性は大きいはずです。
これは一旦レースが始まると全体を判断する要素になるのです。
造ったエンジンの特性を理解していればギヤーセットのミスでタイムを落とすこともありません。
又、エンジントルクとシャシーセットの密接な関係を理解するのは、メカニックといえどもエンジンの本質を知る必要があります。
私からの感想としては「キャリア7年としてはあまりにも洗練されていない」というのがドイツのカート界の率直な感想です。
今F1でドイツ人ドライバーの評価が高いですが、その本質は何なのか・・・今回のドイツ訪問ではそれを発見できませんでしたが、いつか又機会があればその本質を探ってきたいと考えています。


自信に満ちた駿君のドイツ出国の朝の雄姿です。


Posted at 2011年01月24日 09時54分36秒  /  コメント( 0 )